FTMO のルール体系

FTMO には 2-Step Challenge と 1-Step Challenge の2系統があり、ルールが別物です。この記事は主に 2-Step を扱い、1-Step の違いは後半にまとめます。

2-Step のルールは大きく3段階に分かれます。

  1. FTMO Challenge(評価試験 段階1)
  2. FTMO Verification(評価試験 段階2)
  3. FTMO Trader(本番資金口座)

各段階で適用されるルールが微妙に異なります。合格してから「想定と違う」と気づかないよう、それぞれを正確に理解しておきましょう。

FTMO Challenge(段階1)のルール

評価試験の1段階目です。日数の上限がないため、自分のペースで挑戦できます。「Challenge は30日以内、Verification は60日以内」という期限は現在の公式ルールにはありません。

項目解説
目標利益+10%試験開始時の資金から10%増加で合格
最大損失10%(固定)試験開始時の資金から10%減少で失格。トレーリングはしない
1日最大損失5%1日の損失が5%を超えると失格
取引最低日数4日異なる4営業日以上の取引履歴が必要
期間制限なし日数の上限はありません

計算例:$100,000 口座の場合

  • 目標利益:$110,000(+$10,000)に到達で合格
  • 最大損失:$90,000(-$10,000)を下回ると失格
  • 1日損失:$95,000(-$5,000)を下回るとその日に失格

FTMO Verification(段階2)のルール

Challenge を突破した後の2段階目です。目標利益が緩和されますが、他のルールは同じです。

項目解説
目標利益+5%Challenge より緩和
最大損失10%(固定)Challenge と同じ
1日最大損失5%Challenge と同じ
取引最低日数4日Challenge と同じ
期間制限なしChallenge と同じ

特徴は、目標利益が +5% に下がる点だけです。それ以外のルールは Challenge と同一です。

FTMO Trader(本番資金口座)のルール

合格後の本番資金口座では、目標利益のプレッシャーがなくなります。

項目解説
目標利益なしプレッシャー解放
最大損失10%(固定)引き続き適用
1日最大損失5%引き続き適用
取引最低日数なし自由
期間制限なし自由

利益分配は、利益の80%(初期)〜90%(Scaling Plan の条件達成後)です。初回の出金請求は資金口座で最初の取引をした日から14日目以降で、その後も14日ごとの請求になります。任意のタイミングで引き出せるオンデマンド出金ではありません。詳細は FTMO の出金ガイド を参照してください。

重要ルールの詳細解説

1. 最大損失(Maximum Loss)とは

試験開始時の初期資金から、現在の口座残高(または未実現含み損込み)が10%以上下回ると失格になります。

重要な点は3つです。

  • 「日中の含み損」もカウント対象
  • 一度でも閾値を下回ると即失格
  • 過去のドローダウンは累積しない(新規プラン時にリセット)

2. 1日最大損失(Daily Loss Limit)とは

UTC 0:00〜23:59 の24時間以内の損失が5%を超えると失格になります。

判定の仕組みは以下のとおりです。

  • 1日の初期残高(UTC 0:00時点)から計算
  • 含み損も含めて判定
  • 1日の損失額が5%を超えた瞬間に失格

この1日最大損失ルールは、失格者の最頻原因とされます。トレーダー側の主観では「まだ余裕」と思っても、含み損の評価でラインを割っていたというケースが目立ちます。

3. 取引最低日数(Trading Days)とは

異なる4営業日以上の取引履歴が必要です。

  • 同じ日に何回トレードしても1日とカウント
  • 異なるカレンダー日(UTC基準)で4日以上必要

つまり、目標利益を1日で達成しても、追加で3日トレードしないと合格になりません。早く合格に到達したい人ほど、最後にこのルールでつまずきがちです。

4. 利益の偏りに関する扱い

2-Step Challenge の公式 Trading Objectives に、一貫性ルールとしての数値基準(「1日の利益が総利益の◯%以内」など)は含まれていません。目標・最大損失・1日損失・取引最低日数の4項目が判定基準です。

数値基準があるのは 1-Step Challenge のほうで、こちらには Best Day Rule として「1日の利益が総利益の50%を超えないこと」という条件があります。1-Step を選ぶ場合は、この点が実質的な追加ハードルになります。

なお 2-Step でも、明らかな禁止手法(後述)に該当すると判断されれば、合格後の審査で止まる可能性はあります。数値ルールがないことと、何をしてもよいことは別です。

許可される取引手法

代表的な手法ごとの可否を整理します。

手法許可注意点
スキャルピングOK短時間取引は問題なし
デイトレードOK標準的な利用
スイングOK週末持ち越し可
EA(自動売買)OKカスタム EA、コピートレード OK
ヘッジOK同一口座内のヘッジは可
ニュース取引制限あり重要指標時に制限あり(試験中は控えるのが無難)

禁止される取引手法

手法理由
HFT(高頻度取引)数秒以内の超高速トレードは原則禁止
アービトラージ価格差利用の自動裁定取引
複数口座でのヘッジ異なる口座で逆方向のポジションを取る行為
コピートレード(他者からの)他の FTMO トレーダーのコピーは禁止
グループトレード複数トレーダーが連携して取引する行為
ボーナス悪用プロモーション・ボーナスを意図的に悪用

取引可能な商品

FTMO で取引できる主な商品は以下のとおりです。

  • FX(主要・マイナー・エキゾチック通貨ペア)
  • 株価指数(US30、NAS100、SPX500 等)
  • コモディティ(金、銀、原油等)
  • 暗号資産(BTC、ETH 等の主要通貨)
  • 株式(一部対応)

取引プラットフォームは、公式のプラットフォーム FAQ に MT4・MT5・cTrader の3つが記載されています。DXtrade は別途ランディングページがありますが、このプラットフォーム FAQ には載っていないため、Challenge で使えるかは公式サイトで要確認としてください。

1-Step Challenge との違い

1-Step は同じ FTMO の商品ですが、ルールが別に設定されています。混同しやすいので比べておきます。

項目2-Step1-Step
フェーズ数2(Challenge → Verification)1
目標利益+10% → +5%+10%
1日最大損失5%3%
最大損失10%(初期資金基準で固定)10%(日末更新のトレーリング方式)
取引最低日数各フェーズ4日なし
Best Day Ruleなしあり(1日の利益が総利益の50%以内)
利益分配80% → 90%90%(最初から)
試験料の返金あり(初回 Reward 時)なし

1-Step は分配率が最初から 90%ですが、1日損失が 3%に絞られ、最大損失もトレーリング方式になり、さらに試験料が返ってきません。分配率だけを見て 1-Step を選ぶと、実際の難易度は上がります。

ルール違反時の対応

ルール違反が確認されると、その試験プランは終了します。再挑戦するには新規購入が必要です。

試験料の返金は、次の条件を満たしたときだけです。

  • 2-Step Challenge で合格し、資金口座で最初の利益分配(Reward)を受け取ったとき → 全額返金
  • 1-Step Challenge → 公式に返金対象外と明記されており、合格しても戻りません
  • 失格・ルール違反 → どちらの経路でも返金なし

「落ちても返金される」わけではありません。試験料は、支払った時点で失う可能性のあるコストとして見積もってください。

ただし、規約違反でない範囲(例:期間内に目標未達成等)では、再挑戦時に割引コードが発行されるケースもあります。失格メールの内容は、必ず最後まで読んでおきましょう。

各種制限値の早見表

口座サイズ別に主要な数値を一覧化します。

項目$10K口座$25K口座$50K口座$100K口座
目標利益(Challenge)$1,000$2,500$5,000$10,000
最大損失$1,000$2,500$5,000$10,000
1日最大損失$500$1,250$2,500$5,000
目標利益(Verification)$500$1,250$2,500$5,000

よくあるルール違反パターン

実際の失格例から、代表的なパターンを4つ挙げます。

パターン1:1日最大損失ルール違反(最頻)

原因は、大きなポジションを取って、想定外の逆行で1日損失5%を突破するケースです。対策としては、常に1日損失の上限を意識し、ロットを抑えること。1ポジションあたりのリスクを 0.5〜1% に固定すると、よほど連敗しない限り5%には届きません。

パターン2:最大損失ルール違反

含み損が膨らんで決済できず、最終的に10%を突破するパターンです。対策は、ストップロス(損切り注文)を必ず設定し、含み損を放置しないこと。「もう少し戻るかも」という気持ちが失格を呼びます。

パターン3:取引最低日数未達

目標利益を早期達成したが、4日間取引していないというケースです。対策は、合格直前に焦らず、最低4日は取引を継続すること。

パターン4:1-Step の Best Day Rule 違反

1-Step Challenge を選んだ場合、1日の大勝ちで総利益の50%を超えてしまうと合格になりません。対策は、利益が出ても一撃で決めようとせず、複数日に分散させることです。2-Step にはこの数値ルールはありません。

詳細は 課題試験を通すリスク管理 3つの基本原則 を参照してください。

結論

FTMO の 2-Step のルールは業界標準的で、極端に厳しいわけではありません。日数の上限がなく、最大損失が初期資金基準で固定される点は、むしろ守りやすい設計です。

優先順位をつけるなら次の順番です。

  1. 最大損失10%(初期資金基準の固定ライン。絶対に守る)
  2. 1日最大損失5%(失格の最頻原因)
  3. 取引最低日数4日(忘れがち)
  4. 1-Step を選ぶ場合のみ、Best Day Rule 50%と1日損失3%

試験料が戻るのは 2-Step で合格し初回の利益分配を受け取ったときだけなので、購入額は「戻らない前提」で予算を組んでください。

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